新規事業の立ち上げや事業拡大を考える際、リサーチや事業計画の策定、マーケティング施策など、多方面にわたるタスクを同時並行で進める必要があります。限られた人員やノウハウでこれらをすべて行うのは簡単ではありません。そこで注目されるのが新規事業コンサルの活用です。
本記事では、実際にコンサルティングサービスを活用して成果を上げた事例や、費用対効果を考えるうえでのポイントをご紹介します。成功事例から得られる学びを活かし、新規事業支援を最大限に活用するためのヒントを探っていきましょう。
新規事業コンサルを活用するメリット
新規事業コンサルは、事業アイデアのブラッシュアップから市場調査、ビジネスモデル構築、マーケティング施策の実行支援など、幅広い領域をカバーしてくれます。具体的にどのようなメリットがあるのか、代表的なポイントを挙げます。
- 専門的ノウハウと客観的視点を得られる
新規事業コンサルの最大のメリットは、専門知識や豊富な事例をもとに客観的なアドバイスが得られることです。社内だけで検討していると視野が狭くなる場合もありますが、コンサルティングサービスを利用することで、新たな気づきや別のアプローチが見つかる可能性が高まります。 - 短期間で戦略を立ち上げられる
新規事業ではスピード感が求められますが、リソース不足やノウハウ不足によって計画や実行が遅れがちです。コンサルタントは、これまでに多数のプロジェクトを経験しているため、最短ルートで結果を出すための道筋を示してくれます。無駄な試行錯誤を減らし、投資回収の視点も踏まえた戦略を早期に立ち上げる助けとなるでしょう。 - 費用対効果を見据えたアドバイス
新規事業支援をするコンサルティング会社は、売上増加や顧客拡大など、具体的な成功事例をもとに最適解を提示します。事業規模や予算に合わせて、どこにリソースを集中させるべきかを考慮してくれるため、結果的に費用対効果が高まりやすい点も魅力です。
【事例①】IT系スタートアップの成功事例
ここからは、実際にコンサルティングサービスを利用して成功した事例を紹介します。まずは、IT分野で新たなサービスを立ち上げたスタートアップ企業の例です。
背景:
- 社内にマーケティングや営業の専門家がおらず、プロダクト開発にリソースを大きく割いていた。
- 新規サービスのローンチ時期は決まっていたが、プロモーション戦略が曖昧で、どの市場を最優先に狙うか明確な方針がなかった。
コンサル内容:
- 市場調査とターゲット選定
コンサルタントはまず、サービスに類似する競合製品の動向と市場規模を調査。同時に顧客インタビューを行い、製品の強みと求められる機能を整理した。これによって、当初想定していた市場とは別のセグメントに大きなニーズがあることが判明し、ターゲットが明確化された。 - マーケティング戦略の立案
新規事業支援の一環として、デジタルマーケティングとPR戦略の両面からアプローチできる施策を提案。具体的にはSNS広告の最適化や、業界イベントへの登壇を通じた認知度向上に重点を置いた。 - 実行支援と分析
社内では人手が足りなかったため、コンサル側が実務の一部をサポート。SNSキャンペーンの企画・運用、リード獲得のためのウェビナー開催などを継続的に実施し、定期的に成果を分析・レポート化。最適化サイクルを素早く回すことで、効率的にユーザー数を拡大できた。
成果:
- ローンチ後半年で想定以上のユーザーを獲得し、初年度の売上計画を上回る。
- 適切なターゲット選定によって広告費を抑えながら、費用対効果の高いプロモーションを実現。
- 投資回収の見込み時期が大幅に短縮されたうえに、追加開発への投資もできる余裕が生まれた。
この事例からわかるように、コンサルティングサービスによる市場調査やターゲット選定の精度向上が、結果的にプロモーション戦略の効率化につながり、費用対効果を高める重要な要素となります。
【事例②】老舗メーカーの新規事業展開
続いては、長年にわたって製造業を営む老舗メーカーが、新たにBtoC向けのECサイトを立ち上げた成功事例です。
背景:
- これまでは法人向け製品が中心で、一般消費者に直接販売するノウハウが少なかった。
- 社員は中高年層が多く、デジタルマーケティングへの抵抗感が強かった。
コンサル内容:
- 事業計画の再構築
当初、限定的なECサイト運用を想定していたが、コンサルタントはBtoC向けの事業規模拡大を提案。自社ブランドの認知度を高めるためにEC専用の商品パッケージやブランディング要素の再設計を行った。 - 社内教育とチームビルディング
デジタル施策を推進するには、社員の意識改革と基本スキルの習得が欠かせない。そこで、コンサルティングサービスのメンバーが定期的に社内研修を行い、ECサイト運営の基礎やSNS連携の手法をレクチャー。併せて、プロジェクト責任者を中心とするチーム体制を整えるサポートも実施した。 - マーケティングオートメーション導入
BtoCでは顧客データの活用が肝となるため、段階的にマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入。メールマガジンやLINE公式アカウントを連携し、顧客ごとの興味や購買履歴に合わせて適切な情報を配信する仕組みを構築した。
成果:
- ECサイト立ち上げから1年で既存法人事業の売上を超える伸びを達成。
- 社内研修を通じてデジタルリテラシーが向上し、複数のマーケティング施策が社内主導で回るようになった。
- 新規事業の成功がきっかけとなり、社内の若手社員が新たな企画を提案しやすい風土が生まれた。
このように、老舗メーカーの事例では、コンサルタントによる社内教育とチームビルディングのサポートが大きなカギとなりました。単に戦略の提案に留まらず、自社スタッフが動ける体制づくりにまで踏み込むコンサルティングサービスは、長期的な新規事業支援として特に有効です。
新規事業コンサルの選び方のポイント
上記のような「新規事業 コンサル 事例」から学ぶべき点は多々ありますが、実際にコンサルティング会社を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくと失敗を防ぎやすくなります。
- 専門領域・実績のマッチ度合い
コンサル企業によって得意とする業界や領域は異なります。自社が進出したい市場やビジネスモデルに近い成功事例を多く持っているかをチェックしましょう。 - コミュニケーションスタイル
新規事業は状況の変化が激しく、素早い意思決定が求められます。密なコミュニケーション体制を築けるか、オンラインミーティングやチャットツールなどを柔軟に活用できるか、といった点も重要です。 - フィー体系と費用対効果
新規事業コンサルの料金形態は、月額固定報酬・成果報酬・プロジェクト単位など様々です。費用だけでなく、どのような成果物をいつまでに得られるのかを総合的に判断しましょう。投資回収の期間を明確にすることで、より納得度の高い契約が結べます。 - 社内体制へのアプローチ
新規事業支援においては、単に戦略を提案するだけでなく、必要に応じて人材育成や体制整備にも踏み込んでくれるコンサル企業が望ましいです。特に、実行フェーズでの伴走支援があるかどうかは、長期的な成功を左右する要因となります。
まとめ・結論
成功のカギは以下のような共通点にあることがわかります。
- 明確なターゲット選定や市場調査
- 社内リソースの補完とチームビルディング
- 継続的な分析・改善サイクルの確立
- 費用対効果を重視した計画的な投資
新規事業コンサルを上手に活用することで、社内にノウハウを蓄積しながら、より短期間で成果を出すことが可能です。一方で、コンサル企業の専門性や実績をよく見極め、コミュニケーションスタイルや料金体系などを比較検討することも欠かせません。
これから新規事業を立ち上げようとしている方や、既存事業の拡大を目指している方は、まずは自社の課題を整理し、どのようなサポートが必要なのかを明らかにするところから始めてみてください。コンサルティングサービスと二人三脚で進めることで、事業の成功確率を飛躍的に高められるでしょう。